高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるように生活圏域で各種の支援(住まい・医療・介護・予防・生活支援)が一体的に受けられるシステムのことを地域包括ケアシステムといいます。
介護保険制度において、厚生労働省が提唱する政策論であることから、高齢者への支援が中心に考えられますが、誰もが住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けるため、まちづくりの視点も欠かせない取組みです。
出所:厚生労働省ホームページ(最終閲覧日:R4.5.8)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/index.html?msclkid=409d195fce9811ec880c90e0882b96b9
地域包括ケアシステムの植木鉢
人が住み慣れた地域で暮らし続けるために、どのようなサービスや地域資源が必要なのかをまとめ、その主体が本人であることを表した図です。
生活をより良くするのは本人ですので、本人の選択と心構えが最も底の支えとして「皿」で表されています。
「鉢植え」(安心できるすまいと世帯構成)に支えられて、栄養のつまった「土」(地域の住民や店舗等の存在とつながり)があり、その上で行政や民間企業が専門職を配置して提供するサービス「葉」が活きていくという考え方です。
出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「<地域包括ケア研究会>地域包括ケアシステムと地域マネジメント」(地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサービスのあり方に関する研究事業)、平成27年度厚生労働省老人保健健康増進等事業、2016年
自分らしい生活は自分で選ぶ
病院や行政の窓口で医療や介護の話を聞くと、専門職によるサービスを紹介されることになりますが、それは植木鉢でいう「葉」の部分で、どれだけ優れた専門職の関わり(葉)があったとしても、受け身になってサービスを受けるだけでは「皿」や「鉢植え」がないようなもので、自分らしい生活につながりにくいのです。
より良い生活を送るには、自分の選択が最も重要。その中で、家族だけでなく、地域の友だちや仕事・趣味のなかま、より多くの人と定期的にコミュニケーションをとることが認知症を含む介護予防に効果的といわれています。